好きな曲(2)

20分の名曲

 近代のオーケストラを伴う曲で演奏時間が20分程度というのはむしろ短い部類に入る。モーリス・ラヴェルの2曲のピアノ協奏曲はそんな「20分の傑作」だ。いずれも1930年前後に書かれたピアノ協奏曲ト長調と左手のためのピアノ協奏曲の両方を聴けるCDについて。有名な盤ですが、ご容赦を。

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 気鋭の若手だったジャン=フィリップ・コラールのピアノ、円熟期の入口にあったロリン・マゼール指揮するフランス国立オーケストラという演奏陣が万全の演奏を聴かせる1978年の録音。特に、コラールの切れの良いテクニックと堂に入った自然さを備えた表現がよい。硬質な響きもラヴェルにふさわしく、「ト長調」協奏曲の中間楽章や左手のための協奏曲のピアノだけのモノローグなどでは聴き手それぞれの心象を投影させるかのような音楽が流れる。もちろん安易な感傷は寄せつけない鬼気迫る音楽だが。さらにオーケストラの「ト長調」協奏曲の両端楽章に代表される原色的で生彩に富み、かつ風通しのよい響きと、中間楽章に顕著な翳りをおびた響きとのコントラストが曲本来の奥行きを生む…
  
 ピアニズムの質が曲にそぐわない、ラヴェルがグリーグのように聞こえる演奏も最近は聴かれる。大家といわれるピアニストの録音で評判も高い。曲の受容に変化が生まれているのだろうか。
 
 実演で良い演奏を聴いてみたい2曲だ。


                                                          
                                               R-D1s=25mmf4
by a-path | 2008-07-12 11:13 | 音楽 | Comments(0)
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